証明印の正しい捺印の方法について解説
割印の位置と押し方!契約書や印紙の押す場所はどこ?
「割印の押し方が分からない…!」
割印と言うと、契約書などに押印される機会が多いのですが、普段の生活ではなかなか使う機会がありません。そのため、位置や押し方などのマナーについて詳しい知識のある方は意外と少数。
割印を知っていても、契印や消印と混同して覚えてしまっていると、押す位置を間違えて大きなミスに繋がることもあります。
当ページでは、割印に関する様々な疑問を解決するために、割印を押印する位置や場所についてわかりやすくまとめました。
また、契約書などのやり取りの際に覚えておきたい割印のマナーについても併せて解説しています。
こちらの記事を読んでいただければ、一度に割印についてのポイントを押さえることができますので、ぜひご覧ください。
押さえておきたい割印の位置と押し方
割印の位置や押し方についてさっそくご紹介していきたいと思いますが、そもそも割印とはどんなものであるのかをご存知でしょうか?
割印とは、
契約書など複数の書類にまたがって押印される印影のことで、複数ある契約書が同一であることや、内容に関連性があるということを証明する印鑑です。
割印があることで、書類の同一性を示すことがでるので、書類の書き換えを防ぐことができます。
特に重要な契約などを結ぶ際には、契約内容についてお互いの意思を示すために重要な証明です。
そして実は、重要な証明となる割印は、書類によって押印する位置が異なることはご存知でしょうか?
割印は契約書だけでなく、領収書などにも押すことのある印鑑なので、実は書類によって押印する位置が違う事があります。
契約書で押す位置
割印を押印する代表的な書類の一つが契約書。契約内容の大小にかかわらず、多くの契約書で割印は必要とされます。
そして、実を言うと契約書の書類では、割印を押印する位置について特別場所が指定されれいるわけではありません。
「それじゃあ、契約書の割印を押す位置はどこでも良いのか」というと、実際にはある程度同じような位置に押印する習慣があります。
その場所は、契約書の上部。
押し方としては、複数枚の契約書の上部を重ねてずらして、それぞれの契約書に印影の一部が残る位置に押印します。
この時に綺麗な印影を押すためのポイントは、それぞれの書類に印影の大きさがバランス良く押されるようにすること。
印影の大きさのバランスが崩れてしまうと、見た目が悪くなるだけでなく、同じ契約内容でも印影の大きな方が重要なように見えてしまいます。
印象的にも偏りが出ないように、意識しながら割印を押す位置にも注意するようにしましょう。
製本された契約書での押し方
割印は複数枚の書類を重ねて押印するので、実際にやってみるとわかりますが、印影を綺麗に残すのはかなり難しいです。これは、書類を複数枚重ねると押印する位置に段差ができてしまうためで、印面が均等に書類に接地しなくなってしまうからなんですね。
特に、ホチキスで止められた書類や製本された書類などの場合には、書類を重ねただけで段差がかなり大きくなってしまうので、物理的に印面が書類に接地しない場合もあります。
こうした時には、契約書の書類の表紙だけを重ねて割印を押すように押し方を工夫すると上手く印影をつけることができます。
「こんなに分厚い書類に割印を押すのは無理だよ…」
という場合にはぜひこちらの押し方を試してみてください。
そして、製本されていいる書類に印鑑を押す時に、勘違いされがちなのが、契印。
契印とは、
書類が複数枚に渡る場合に各書類の繋がりを証明する印鑑のことで、書類の追加や抜き取りなどの不正を防ぐために使われます。
割印と契印は複数枚の書類にまたがって押印されるという点では似ていますが、押す位置や印鑑としての意味合いは違います。
契印は、製本された1冊の契約書では製本テープの位置に押したり、ホチキスで止められている契約書では次のページとの境目の位置に押す印鑑です。
上司や先方に契約書への押印を頼まれた時には、割印なのか契印なのかをしっかりと確かめて間違いのないように注意心がけると良いでしょう。
領収書に押印する場合
割印は契約書だけではなく、領収書でも不正防止の証明印として使われます。
そして、領収書に割印を押印する際には、領収書の種類によっても押す位置が変わってきて、控えが付いている領収書と控えの付いていない領収書でも割印の押し方が異なるんです。
控えが付いている領収書の場合には、領収書と控えを切り取る位置に割印を押します。
押し方としては、印影が切り取り線の位置にバランス良くまたがるように押印するのがポイント。
一方で、控えの付いていない領収書の場合には、契約書に割印を押印する場合と同様に、契約書の上部に領収書を重ねて印鑑を押すようにするのが一般的です。
領収書に割印を押す位置は契約書とは異なりますが、不正をなくすための証明となるといった用途としては意味合いが同じになります。
領収書はお金のやり取りが発生する重要な書類。
契約書の割印の押し方と同様に、間違いのないように確認をしてから押印することをおすすめします。
収入印紙の場合
そして、先程登場した契印と同様に間違いやすいのが、消印。
消印とは、
契約書などに貼った印紙などが再利用されないために、使用した証拠となる証明です。
そして実は、契約書や領収書などの書類に収入印紙を貼った場合には、印紙の位置に消印をしないと効力が発生しません。
収入印紙に消印を押印する場合は、契約書や領収書に割印を押す時と同じように、収入印紙を貼る書類と印紙の両方に印影がかかるように押印するのがポイント。
ちなみに、消印の場合には印鑑ではなく、手書きのサインでも効力が発生します。
ただし、手書きのサインの場合には、ボールペンなど後から消すことができないペンで書いた消印でないと効果がないので、注意するようにしましょう。
割印を押した契約書のやりとりで注意すること
ここまでは割印を押す位置や押し方についてご紹介してきましたが、最後に割印を押すような書類のやり取りについてのマナーやルールについてご紹介致します。
割印を押す順番
割印は契約書などに押印することが多いので、押印する順番などがありそうです。でも実際には、契約書に割印を押印する場合には、基本的にはどのような順番で割印を押さなくてはいけないという決まりはありません。
ただ、契約者によっては、3者契約の場合には左側から「甲・乙・丙の順番で押す」、「中央に甲が押して、左右に乙・丙が押す」などルールが設けられている場合もあります。
割印の順番については、契約者に直接確認しなくてはわからないので、割印を押す際には順番に決まりがある場合もあるということだけ覚えておくと良いでしょう。
印影の上部が写っている書類を相手に渡す
そして、割印についてぜひ知っておいて欲しい豆知識があります。それは、契約書に割印を押した時に先方に書類を渡す際には、印影の上部を渡すようにするということです。
これについては、特別決まり事があるわけではないのですが、割印が押してある書類を取り扱う際の一種のマナーとして覚えておくと、ビジネスシーンできっと役立つはずです。
押印を拒否した場合や押し忘れた場合
割印は契約書の内容について確認をして、書類の内容が同一のものである、もしくは内容に関連性があるものであるということを認めた証拠です。そのため、基本的には契約関係を結ぶ代表がそれぞれ押印をするのですが、場合によっては押印を拒否したり、押し忘れてしまうこともあります。
その場合には、その契約書は無効になるのでしょうか?
実際には、割印が押していなくても契約書には効力が発生します。
割印はあくまでも契約書の内容が同一のものであるということの証拠なので、押していないからといっても契約の内容自体には影響はないからです。
この場合には、割印を押していない契約者の方が不利になってしまいます。
割印は契約者同士の印影があるからこそ、互いの書類の書き換えやすり替えを防ぐ事ができるからなんですね。
契約についてのトラブルを避けるためにも、契約書に割印が必要な際には、契約内容を良く確認して、お互いに割印を押すようにしすることをおすすめします。
割印の押し方や押す位置についてご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか?
こちらでご紹介したことに注意していただければ、きっと綺麗な割印をおすことができるはずです。
最後に「重要な契約書なので、上手く割印を押すことができるのか心配…」という方のために、印鑑の押し方について徹底的に調査して記事としてまとめました。
綺麗な印影の印鑑を押したい方はぜひご覧ください。