印鑑のインク液の交換のやり方

朱肉の補充方法とコツを解説

朱肉の補充方法にはコツがあるのはご存知でしょうか?

基本的に印鑑を使用する時に朱肉が必要になります。ただ、いつも使っている朱肉のインク液がなくなってしまった場合にどのように補充するのか知っている方は多くありません。

いざ朱肉を補充しようとしても、やり方がわからなかったり、交換用にどのインキを買えば良いのか悩んでしまいますよね。

実は朱肉の補充を間違えた方法で行ってしまうと、朱肉自体が使えなくなってしまう事があります。


でも、安心してください。朱肉を補充する場合にはコツがあるので、そのコツを押さえておくだけで簡単に補充を完了することができるようになりますよ。


こちらのページでは、印鑑の専門メディアである当サイトが、朱肉の補充方法のコツについて徹底解説。最後まで読んでいただければ、朱肉の補充に関する悩みを全て解消することができます。

誰でも簡単に覚えられる補充のコツについて、さっそくご紹介していきます。



ちょっと待って!朱肉の補充方法を知る前に…


それでは、さっそく朱肉の補充方法について解説していきます。ただ、その前に知っておくべきことがひとつ。

朱肉には種類があるのはご存知でしょうか?

実はひと口に朱肉を補充するといっても、朱肉の種類によって対応が変わってきます。それぞれの朱肉に対して間違えた対処方法をしてしまうと、朱肉が使えなくなってしまう可能性があるので、そうならないためにも、まずは朱肉にはどんな種類があるのかを見ていきましょう。

朱肉の種類

朱肉には大きく分けて2つの種類があります。

それは、スポンジタイプ(布張り)の朱肉と練朱肉。


スポンジ(布張り)朱肉は、印鑑の印面が接地する部分がスポンジでできたタイプの朱肉で、朱肉を付けやすく捺印がしやすいので、大量の書類に印鑑を捺印するときや、日常で印鑑を押印するときにおすすめです。

ただ、練朱肉に比べると乾きやすいので注意が必要になります。スポンジ朱肉は専用の補充インクでインクを補充することで繰り返し使うことができます。


練朱肉は、その名の通り、朱肉の塊があり練って使うことができます。スポンジ朱肉と比べると、美しい印影が残せるということから、公文書など重要な書類に利用されることの多い朱肉です。

また、スポンジ朱肉と比較すると、朱肉が乾きにくいという特徴がありますが、練朱肉の場合にはインクではないので、専用インキを使って補充することはできません。


言葉だけではわかりにくいかもしれませんので、2つの朱肉の特徴を簡単に比較できるように表にまとめました。

朱肉の特徴補充
スポンジ朱肉
  • 乾きやすい
  • 捺印しやすい
  • ムラができにくい
練朱肉
  • 朱肉の色合いが鮮やか
  • 印影が鮮明
  • 朱肉が薄れにくい
不可


まずは、朱肉の種類についてご紹介をしてきました。2つの朱肉について説明をしましたが、補充液を使って朱肉のインクで補充をすることができるのはスポンジ朱肉ということになります。

そのため、まずは、ご自身が持っている朱肉がどちらにタイプの朱肉であるのかを確認するようにすると良いでしょう。

ということで、お待たせいたしました。続いては、スポンジ朱肉の補充方法について解説していきます。

それから…

スポンジ朱肉の場合にはインクの補充をすることができるけど、「自分が持っていたのは練朱肉だったから補充はできないの?」と困ってしまったあなた。

実は練朱肉もインクの補充とは違いますが、しっかりとしたメンテナンスが必要になります。こちらのページでは、練朱肉のメンテンナンス方法についてもご紹介をしていますが、まずはスポンジ朱肉の補充方法について解説していきます。

すぐに練朱肉のメンテナンス方法について知りたい方はこちら(練朱肉のメンテナンス方法)からお進みください。

スポンジ朱肉の補充方法


それでは、スポンジ朱肉の補充方法についてご紹介をしていきます。まず、朱肉の補充には、専用の補充インキが必要になりますので、専用の補充インクを用意します。このときに注意したいのは、必ず使用している朱肉専用の補充インクを使うということ。

最近では、100円均一などのショップでも、朱肉の補充液を見かけることがありますが、こうしたインクを使うことは基本的にはおすすめしません。

なぜなら、こうした補充インクを使用してしまうと、朱肉が使えなくなってしまうことがあるからです。実は、ひと口に補充インクといっても微妙に成分に違いが合ったりします。

よく見てみると、色合いも若干違ったりしますので、色の違う補充インクを補充したことで、色味にも変化が出てしまい、商品本来の朱肉の色味も出せなくなってしまう可能性も…

場合によっては、朱肉の寿命も縮めてしまうことにもなりかねないので、細かいことですが準備段階から注意をすることをおすすめします。


朱肉を補充する際に準備するもの
  • 朱肉補充用のインキ
  • 朱肉
  • 新聞紙
  • ティッシュペーパー


朱肉の補充手順

朱肉の補充手順ですが、まずは用意した補充インクをキャップをした状態でしっかりと振ります。これは、補充インクの中身を均一にするためです。忘れてしまうと、場合によっては補充インクに偏りが出てしまいますので、補充時に元の朱肉の色味が出なくなってしまう可能性もあります。

続いて、しっかりとインクを振ったら、補充インクのキャップを外してノズルの部分を朱肉に押し当てます。そして、ゆっくりと円を描くように少しずつインクを浸透させていきます。

これを5回ほど繰り返せば、インクの補充は完了です。このときに注意したいのは、無理にノズルの部分をスポンジの部分に力強く押し当てないということです。無理に押し当ててしまうと、スポンジの部分にキズを付けてしまう可能性もあるので、注意が必要です。


インクの補充後は、一度、朱肉にインクを浸透させるために30分ほど時間を置いて放置。そして、仕上げとして朱肉の表面をティッシュで拭き取ります。

この放置の時間や仕上げで表面を拭き取ることを忘れてすぐに朱肉を使おうとすると、かなり濃い状態で印面に朱肉がてしまうので、慌てずに最後の手順まで気を抜かないようにすることをおすすめします。

また、実際にインクの補充後に朱肉を使う場合には、一度試し押しを行って、印影の色が濃い、もしくは薄すぎないかを確認するようにすると良いでしょう。

とにかくインクの補充時に気を付けることは、焦らずに丁寧に作業を行うこと。特に、面倒だからと、一気にインクを浸透させてしまうと失敗してしまうことがあります。

また、朱肉のインクを補充するときには、新聞紙などを敷いておくとインクがこぼれても安心。下手に床などにインクをこぼしてしまうと、掃除が大変になってしまいますので、作業時には周りにも注意するようにすると良いでしょう。

朱肉補充の手順
  1. キャップをしたまま、朱肉補充用のインキをしっかり振っておく
  2. インキのキャップを外し、ノズルの部分を朱肉に押し当てる
  3. ゆっくりと力をかけ、円を描くように、少しずつインキを浸透させる
  4. 2.と3.を5回ほど繰り返す
  5. 30分ほど朱肉を放置し、完全にインキを浸透させる
  6. 朱肉の表面をティッシュで軽く押さえ、余分なインキを拭き取る
  7. すぐに使う前に、一度印鑑の試し押しをする。朱肉が薄い場合は、同じ手順でインキを補充する


朱肉補充時のコツ
  • インキは補充前にしっかりと振る
  • 作業は力を入れすぎずにゆっくりと行う
  • 補充後は必ず試し押しをする


まずは、スポンジ朱肉の補充方法についてご紹介をしてきました。

スポンジ朱肉は、インクを補充しながら大切に使うことで長く使うことができます。スポンジ朱肉は普段遣いにも便利なので、ちょっと印影が薄くなってきたなと感じたときには、インクの補充をしてみてはいかがでしょうか?

続いては、スポンジ朱肉ではなく、練朱肉をお持ちの方に向けて、朱肉のメンテナンスの方法についてご紹介をいたします。

練朱肉をお持ちの方は、ぜひご参考にしてください。

また、最後に、スポンジ朱肉・練朱肉共にメンテナンスをする際の注意事項についてご紹介をしていますので、そちらも併せてご覧ください。

練朱肉のメンテナンス


練朱肉は、スポンジ朱肉と違ってとても粘り気が強いので、鮮やかな印影をくっきりと残すことができます。また、スポンジ朱肉と比べると乾くのには少し時間がかかるものの、印影が色あせしにくいので長期間保管するような書類に印鑑を残す場合には練朱肉の方がおすすめです。


ただし、練朱肉はしっかりとメンテナンスをしておかないと、はんこの印面に上手く朱肉がつかなかったり、朱肉が固くなってしまったりすることがあります。最悪の場合には、カビが発生してしまうことも…

そんなことにならないようにしっかりとメンテナンスをしてあげることが大切です。練朱肉のメンテナンス方法には、朱肉の状態によって対応方法が違いますので、それぞれの場合に分けてご紹介をしていきます。

朱肉使用前のメンテナンス

練朱肉を使う場合には、捺印前に朱肉の状態を確認することをおすすめします。そうすることで綺麗な印影を残すことができるからです。

朱肉の状態を見て柔らかい部分と固い部分がある場合には、表面の硬い部分を練りほぐしながら柔らかい部分と混ぜ合わるようにすると、上手く印面に朱肉がつくようになります。

朱肉全体が固まっている場合のメンテナンス

朱肉が全体的に固まっている場合には、そのまま練ろうと思ってもなかなか難しいので、一度容器ごと温めることをおすすめします。練朱肉を容器ごと少し温めることで、朱肉が練りやすくなりますので、温めた朱肉を練ってから使うようにすると良いでしょう。

朱肉を温める場合には、温めすぎると火傷などの可能性もあるのでその部分だけは注意が必要です。

また、朱肉の容器ごと温められない場合には、金属製のヘラを使うと便利です。金属製のヘラを熱して少し温め、朱肉に押し当てることで柔らかくなりますので、その状態で練り直すと良いでしょう。


また、練朱肉を練り込んだ後には、山の形になるように成型すると朱肉が使いやすくなります。実際に使用する場合には、山の裾の方を使って印鑑に朱肉を付けると、印面に綺麗に朱肉がのるようになるのでおすすめです。

朱肉が固くなりすぎてメンテナンスできない場合

練朱肉がかなり固くなってしまって温めても柔らかくならない場合や、油分が不足して朱肉全体にツヤがなくなっている場合、また、カビが生えてしまった場合は、残念ですがメンテナンスをしても使えるようになる可能性は低いです。

この状態になってしまった場合には、諦めるしかないので新しい練朱肉を購入する必要があります。練朱肉はこうした状態にならないように、常にしっかりと管理しておく必要があるのです。

練朱肉は、スポンジ朱肉と比べると印影がはっきりとして綺麗です。上手く使うことで、ワンランク上の印影を残すことができるので、ぜひこの機会にメンテナンス方法をマスターして、目的に合わせた朱肉の使い分けに挑戦してみてはいかがでしょうか。

練朱肉の復活方法について更に詳しく知る


専用インキを補充する際の注意点


朱肉の補充方法やメンテナンス方法についてご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか?

朱肉はインクを補充したり、注意しながらメンテナンスをすることで、長く使い続けることができます。

もし、事務作業などで頻繁に印鑑を押す機会があるのであれば、朱肉は新しいものを購入するよりも、インクを補充する方が経費の削減に繋がりますし、環境にも優しいのでエコになり一石二鳥です。

今まで、印鑑が薄くなるたびに新しい朱肉を購入していたという方も、この機会にインクの補充に挑戦してみてはいかがでしょうか。


今回ご紹介した朱肉の補充方法・メンテナンス方法についての注意点は下記の通りです。

朱肉の補充・メンテナンス時の注意点
  • 交換用のインクは必ず、朱肉にあった専用インキを使用する
  • インクの補充後は朱肉・補充インク共にしっかりとフタを絞めて、水平になるように保管する
  • スポンジ朱肉の布地が破れているときは交換が必要
  • 服にインキが付くと取れにくいので、注意する
  • 周囲が汚れないように、作業時には新聞紙などを使う
  • 練朱肉を温めるときには火傷をしないように注意する


度々になりますが、朱肉のインクの補充の際には補充インキの種類は要注意。 メーカーによって、同じような見た面の朱肉でも、使われているインキには違いがあるため気をつけないと大変なことになりかねません

補充用のインクを購入する際には、必ずメーカーや商品名を確認して、その商品にあったインクを使うようにすると良いでしょう。

また、朱肉用のインキとスタンプ用の朱色のインキを間違えてしまう方も多くいらっしゃいます。不注意で間違ったインキを補充してしまうと、成分の違いから、印鑑を痛めてしまうこともあるので、そちらも併せて注意することをおすすめします。


インキの補充後には、インキが漏れないように注意すること、そして、しっかりとフタを絞めて平らな場所で保管するように心がけると良いでしょう。もし、インキを補充しすぎてしまった場合には、余分なインキをティッシュなどで吸い取るとインキが垂れませんし、インクの濃さを調節することができます。

さらに、インキを補充するときに、布地が毛羽立っていたり、破れそうなときは朱肉の交換時期です。インクを補充してもきれいに押印できない場合があるので、布地が破れ始めたら、新しい朱肉を使うことをおすすめします。


そして最後に、もし朱肉の補充時に洋服にインクが付いてしまった場合の対処法についてもご紹介させていただきます。

  1. 白いタオルを2枚用意
  2. 白いタオルの片方を服の下に敷いて、中性洗剤を垂らし、染みこませる
  3. もう1枚の白いタオルで、汚れた部分を上からトントンと叩き、下のタオルに汚れを移していく
  4. ぬるま湯できれいに洗い流す
  5. 乾かして完成
朱肉の補充用インクが服についてしまった場合には、無理にインキを落とそうとすると、余計にシミが広がってしまうこともあるため要注意です。広範囲にインキが付いてしまった場合は、あくまで応急処置とし、クリーニング店などを利用することをおすすめします。


これから印鑑や朱肉を購入しようと検討している方は、今後、インキを補充することも頭に入れておくと、後になってどんなインキを使えばいいのか悩んでしまうことはありません。印鑑や朱肉、補充インキをセットで購入できる便利なショップもあるので、ぜひ活用してみてください。

また、印鑑を使用する際には朱肉だけでなく、はんこの掃除の方法なども併せて知っておくと、印鑑を長く使うことができます。特に実印や銀行印などの印鑑は、印面にキズが付いたり欠けたりしてしまうと使えなくなってしまい、登録のし直しという自体にもなりかねません。

朱肉の補充方法とメンテナンス方法についてバッチリ理解したので、印鑑のメンテナンス方法も一緒に知っておくことをおすすめします。

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