法人登記に必要な書類の取得手順や、印鑑カード・会社実印を紛失した場合の対処方法

会社印鑑証明書の取得ステップを分かりやすく解説
会社印鑑証明書の取得ステップ

会社印鑑証明書は、個人の印鑑証明書と同じく、印鑑登録をした法人が”存在すること”を認める証明書です。

起業の際は、会社印鑑証明書がなければ法人登記の手続きを進めることはできません

そんな会社印鑑証明書の取得ステップを、このページで具体的に解説。

会社印鑑の登録から印鑑カードの発行、そして会社印鑑証明書の取得までスムーズに進める手順をご説明します。

会社印鑑証明書が必要になる場面や、紛失した場合の対処方法もまとめているので、会社印鑑証明書に関するあらゆる疑問の解消にぜひお役立てください。



会社印鑑証明書の記載内容と必要な場面

会社印鑑証明書は、以下のような項目が記載された書類です。

  • 会社実印の印影
  • 商号
  • 本店所在地
  • 代表者の氏名
  • 代表者の生年月日

そして、会社印鑑証明書は、以下のような場合で提出が必要となります。

  • 法人登記
  • 不動産の売買・所有権の移転登記
  • 一部の重要な契約
  • 一部の許可申請

会社印鑑証明書は、基本的には会社実印と一緒に使います。会社実印を押印する際は、会社印鑑証明書も必要になると考えておくと良いでしょう。


印鑑の作成から書類取得までのステップ

会社印鑑証明書を取得するには、個人の実印と同じように印鑑登録が必要です。 それでは、登録の手順を見ていきましょう。


STEP1:会社実印用の印鑑を用意する

印鑑登録をするために、まずは会社実印用の印鑑を用意します

会社実印は、サイズ規定(10.1㎜以上30.0㎜以内)を満たしていれば、形や書体は自由ですが、下記のような印鑑を作ることが一般的です。

  • サイズ:16.5mmや18.0㎜
  • 形:丸印(天丸型または寸胴型)
  • 書体:篆書体など可読性の低い書体

また、印材には特に規定はありませんが、硬い木材や角素材、チタンなど、会社実印としての威厳が感じられる、耐久性のある素材を選ぶと良いでしょう。

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会社実印の作成手順>>
会社設立に必要な印鑑の種類>>

STEP2:法務局で印鑑登録する

会社実印用の印鑑を用意した後、会社の所在地を管轄している法務局に出向き、印鑑(改印)届書を提出します。

印鑑(改印)届書は、事前にダウンロードして記入済みのものを持参することもできますし、法務局で直接用紙に記入しても構いません。

【持ち物】
  • 印鑑届書
  • 印鑑カード交付申請書(ダウンロードまたは窓口で取得)
  • 代表者個人の実印
  • 代表者個人の印鑑証明書
  • 印鑑登録する会社実印用の印鑑
  • 窓口で手続きする人の公的身分証明書(運転免許証やマイナンバーカードなど)

上記の持ち物を持参し、法務局の窓口に印鑑届書を提出します。会社の印鑑登録は、法人登記と同時に手続きを済ませることが一般的です。

法人登記が完了すると、5分ほどで印鑑カードが発行されます。なお、印鑑カード発行にかかる費用は無料です。


STEP3:会社印鑑証明書を取得する

印鑑カードが発行されると、全国の法務局で会社印鑑証明書が取得できるようになります

法務局にて会社印鑑証明書を取得する際の持ち物は、以下の通りです。

【持ち物】
  • 印鑑カード
  • 印鑑証明書交付申請書(ダウンロードまたは窓口で取得)

上記の2点を提出すると、会社印鑑証明書が交付されます。

また、法務局の窓口で会社印鑑証明書を取得する場合は、1通につき450円の手数料がかかります。


窓口以外での取得方法について

会社印鑑証明書は、法務局の窓口だけでなく、郵送やインターネットでも取得が可能

まずは、郵送で会社印鑑証明書を取得する手順とメリット・デメリットから見ていきましょう。

【郵送で請求する場合】
  • 印鑑カード
  • 記入済みの印鑑証明書交付申請書(ダウンロード)
  • 450円分の収入印紙(貼り付ける)
  • 返信用切手を張り付けた封筒(返信先を記載)

上記を同封し法務局へと郵送すると、数日後に会社印鑑証明書が返送されます。

メリット:法務局が遠い場合に便利
デメリット:郵便事故の可能性はゼロではない、取得までに数日かかる


続いては、インターネットで会社印鑑証明書を取得する場合です。

【インターネットで請求する場合】
会社・法人の電子証明書があれば、インターネットから会社印鑑証明書の請求手続きを済ませ、郵送で受け取ることができます。

メリット:必要なときにすぐに手続きできる
デメリット:事前に電子証明書の交付が必要


以上が、会社印鑑証明書を取得する方法と、それぞれの手順です。

会社印鑑証明書は郵送やインターネットでも請求できますが、取得に数日かかったり、事前に手続きが必要となるため、急ぎで会社印鑑証明書が必要になる場合は、法務局の窓口で取得すると良いでしょう。


悪用の可能性は?紛失時の対応とは

最後に、会社印鑑証明書・会社実印・印鑑カードを紛失した場合の対処方法をまとめてご説明したいと思います。

取得した会社印鑑証明書を紛失した場合

重要事項が記載されている会社印鑑証明書を紛失してしまうと、会社印鑑証明書に記載された会社実印の印影や、会社印鑑証明書そのものが複製されてしまう恐れがあり、危険です。

そのため、会社印鑑証明書を紛失してしまった時は、下記の【印鑑登録した会社実印を紛失した場合】の手続きに沿って、新しい会社実印を再登録してください

また、紛失を避けるためにも、会社印鑑証明書は余分に保管せず、必要な時に必要な数を取得するようにしましょう。


印鑑登録した会社実印を紛失した場合

印鑑登録をした会社実印を紛失した場合は、できるだけ早く管轄の法務局に印鑑・印鑑カード廃止届書を提出します。そして、新しい会社実印が用意できたら、後日、印鑑(改印)届書を提出しましょう。

【印鑑を廃止する場合の持ち物】
  • 印鑑・印鑑カード廃止届書(ダウンロードまたは窓口で取得)
  • 代表者個人の印鑑証明書
  • 代表者個人の実印


なお、新しい会社実印をすぐに用意できる場合は、印鑑の廃止ではなく、改印として手続きすることも可能です。

【印鑑の届出(改印)するとき持ち物】
  • 新しい会社実印用の印鑑
  • 印鑑(改印)届書
  • 代表者個人の印鑑証明書
  • 代表者個人の実印


印鑑カードを紛失した場合

会社印鑑証明書を取得する際に必要となる印鑑カードを紛失した場合は、古い印鑑カードを廃止し、新しい印鑑カードを再発行します。

【持ち物】
  • 会社実印
  • 印鑑・印鑑カード廃止届書
  • 印鑑カード交付申請書
  • 窓口で手続きする人の公的身分証明書

印鑑カードの再発行の手続きは、法人登記の時と同じく、管轄の法務局で行います。また、再発行の手数料は無料です。

会社印鑑証明書を申請書する際は、申請書に会社の商号・名称、住所、印鑑登録をした人の情報などを記載する必要があるため、万が一印鑑カードを紛失しても、勝手に会社印鑑証明書を取得されてしまう可能性は低いです。

ただし、印鑑カードがなければ会社印鑑証明書を取得できないため、印鑑カードはしっかりと管理しておきましょう。


以上の情報が、会社印鑑証明をご利用の際のお役に立てば幸いです。



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