押し間違いしやすい訂正印と捨印についてのお役立ち情報

訂正印、捨印の押し方とおすすめの訂正用印鑑

もし大事な契約書類で印鑑の押し方を間違えたり、間違った印鑑を使ってしまったり、文字を間違えてしまった場合はどのように訂正したら良いのでしょうか?

二重線で消して、その横に訂正印を押せば良いんでしょ?

と思い、このように訂正している方が多いですが、実は違うんです。

この修正方法で大丈夫な場合もありますが、ここで正しい訂正印の押し方のパターンを押さえておきましょう。

また、必ず知っておきたい訂正印が「捨印」

この捨印は、その意味を理解していないと大変な目に合うことがあります。

でももう大丈夫です!

ここで訂正印と捨印の正しい押し方について押さえておけば、そのリスクも回避することができます。

また、1本持っておくと非常に便利な、訂正に使用するおすすめの訂正印も紹介していますのでチェックしてみてください。


 

それでは最初に、訂正印の押し方について見ていきましょう。


今さら聞けない!訂正印の押し方

訂正印の押し方は明確なルールがあり、「削除」「追加」「訂正」の3パターンによって変わってきます。一つ一つ順番に見ていきましょう。

削除

【削除】
重要書類において文字を削除したいだけの場合は、以下になります。

  1. 間違えている箇所に二重線を引く
  2. 横書きの場合、二重線の上に訂正印を押す(縦書の場合は右側に訂正印を押す)
  3. 印のすぐ近くに「削除◯字」と修正内容を記入する
文書によっては、余白が狭く、印が押せなかったり、文字が書けなかったりすることがあります。その場合、二重線を引いた後、書類の欄外の余白に印を押し、修正内容を記入するケースもあります。

欄外に修正した際は、「△行目」も記すようにしましょう。

追加

【追加】
文字を追加したいだけの場合は、以下の手順で修正します。

  1. 文字を追加する部分に「<」「∨」「{ 」などの記号を挿入し、文字を追加する位置がわかるようする
    ※どれを使っても良いが、同一の文書内では同じ記号を使用する
  2. 追加する文字を記入する
  3. 追加した文字のすぐ近くに訂正印を押す
  4. 訂正印の隣に「加入□字」と追加した文字数を書く
    ※スペースがない場合は、同様に欄外の余白の部分に印を押し、修正内容を記す(「△行目」も記入)

訂正

【訂正】
訂正の場合は、削除と追加を組み合わせるような形で修正します。追加の時と違って「∨」などは使用しません。

  1. 訂正する部分を二重線で消す
  2. 横書きの場合はその上下のどちらかに、正しい単語または文章を記入する(縦書の場合は左右のどちらかに記入する)
  3. 近くに訂正印を捺印する
  4. 訂正印の隣に「削除◯字 加入□字」と修正内容を書く
    ※書ききれない場合は、欄外に印を押し修正内容を記す(「△行目」も記入)
契約などの場合は、当事者双方が押さなければ、訂正は認められません。また他の重要書類などでも、関わっている人すべてが印を押すようにします。

訂正印の正しい押し方がお分かりいただけたでしょうか?

もちろんミスのない文書を作成することが一番ですが、不備がある場合はここで紹介した正しい方法で修正するようにしましょう。

特にビジネスシーンにおいては、正しい方法で修正しているかどうかが、信頼度にも関わってくることがあるので重要です。

それでは次に、訂正のもう一つの方法、「捨印」の押し方について見ていきましょう。


訂正のもう一つの方法「捨印」の押し方と注意点

文書を修正する際には、「捨印」という方法があります。

捨印とは、文書の欄外に予め訂正印を押しておき、修正の許可を与えておく方法です。

捨印を押しておけば、後に書類の誤りが見つかった場合でも、二重線を引いて修正内容を記入すれば良いので、やり取りの手間が省けます。

この時、捨印のそばに「△行目 削除◯字 加入□字」と修正内容を記すのも忘れないようにしましょう。

ただし、ここからが重要です!

一見、便利そうに見える捨印ですが、大きなリスクがあることを覚えておきましょう。

再度になりますが、捨印とは予め訂正印を押しておき、その後の文書の修正を認めるということを示します。

これが何を意味するのかと言うと・・・。

それは、捨印を押すと、契約先などに文書の内容をどのように修正されてしまったとしても、確認なしで認めますという意思表示になります。

つまり、捨印は当事者間によほどの信頼関係がないと悪用されてしまうことがあるので、大変危険ということです。特に、契約書に捨印を押すのは避けましょう。

基本的には捨印は使用せず、訂正箇所が見つかるたびに、訂正印を押すようにすることをおすすめします。


最後に、訂正印とはまた別の話になりますが、印鑑の押し間違いの訂正方法について紹介したいと思います。


印鑑の押し間違いの対処法


押す予定の印鑑とは違った印鑑を押してしまった!

という経験はありませんか?そんな時、あなたはどうしたでしょうか?


まず、間違えた印影に二重線を引いて、それから...


はい!そこまで!!いったんストップです。

印鑑の押し間違いの際に二重線を引くと思っている方が多くいますが、実はその方法は間違いなんです。

印鑑の押し間違いの正しい修正方法は、二重線を引くのではなく、間違えた印鑑の上にもう一度押すという押し方になります。

この時の訂正印の押し方ですが、元の印影に重なるように、少しずらして押すようにします。
そしてその後、その隣に本来押すべきであった正しい印鑑を捺印します。

なぜ押し間違いの際に、二重線ではなくずらしてもう一度押すのでしょうか?

これは、二重線ですと後から誰でも修正できてしまうからです。 押し間違いの印鑑を再度押すことは、その本人しかできないので、盗まれることがない限り修正はできません。

もちろん印鑑の押し間違いがないようにするのが一番。印鑑を押す際には、慎重に押すように心がけましょう。


訂正印に使用する印鑑

最後に、訂正印を押すための印鑑についてご紹介します。

訂正印に使われる印鑑ですが、押し間違えた印鑑をそのまま使うケースと、別の印鑑を使うケースの2つのパターンに分けられます。

同じ印鑑を使用する場合

重要な書類や契約書の場合は、実際に書類に捺印したものと同じ印鑑を用います。

特に、法人の取引で、銀行が絡む契約書の場合は訂正印に銀行印を使用した方が良いでしょう。

認印や専用の訂正印で修正した場合、銀行印を使用した訂正印を求められることがあります。


専用の印鑑を使用する場合

上記で紹介したような重要な書類や契約書ではないケースでは、よく専用の印鑑(訂正印)を使用します。

社内の内部文書や、個人の不動産契約やローン契約では、専用の訂正印で問題ないケースがほとんどです。

ただし、シャチハタなどのゴム印は避けるようにしましょう。シャチハタは公的な書類では認められていないことがありますので、専用の訂正印をおすすめします。


おすすめの訂正印用はんこ

人気の印材は?

それでは専用の訂正印のおすすめ印鑑素材について紹介したいと思います。

今回ご紹介するのは、業界最大手の通販印鑑ショップ「ハンコヤドットコム」で人気の訂正印「チタン」「黒水牛」「薩摩本柘」の3つ。

それぞれの素材の特徴を順番に見ていきましょう。

チタン

チタン印鑑は捺印性に優れていて、訂正印のようにサイズの小さい印面でも、かすれることなくキレイに押印できます。 耐久性も抜群なので、一度買った訂正印を長く使い続けたいという方におすすめです。


黒水牛

水牛の角でできていて、古くから印鑑の定番素材として親しまれている黒水牛。最近では、スワロフスキーをあしらった、女性向けのおしゃれなデザインも増えています。


薩摩本柘さつまほんつげ

高品質の薩摩本柘は、他の2種類に比べて価格が安いのが特徴。安く訂正印を購入したいという方から人気です。


おすすめの書体


次に書体。

訂正印はその印鑑を押した人が誰か、というのがわかるように、文字の判別がしやすい書体がおすすめされます。

その書体は「古印体」と「隷書体」。銀行印や実印は篆書体といった文字の判別が難しい書体を使用しますが、上記の理由から訂正印には「古印体」と「隷書体」がおすすめです。

そして、専用の訂正印の場合には、通常の印鑑よりも細い書体が使われます。通販サイトなどで売られてるものは大体6mm幅。

これは、訂正印は書類の余白や行間に捺印するので、印を押すスペースが小さい場合でも押しやすくするためです。

最後に、
実印や銀行印は偽造されると大きなリスクになりますので、あまり頻繁に使用するものではありません。

ごく普通の社内文書など、比較的重要ではない書類用に、専用の訂正印を一本持っておくことをおすすめします。



いかがでしたでしょうか?
訂正印、捨印の押し方についてよくお分かりいただけたかと思います。

訂正のために使う印鑑とはいえ、専用の訂正印を作成する時には、実印や銀行印などを作成する時と同じように、印鑑の作成の基本部分についての知識を持っておくことをおすすめします。

そして、印鑑を作成する場合には、作成の基本部分だけでなく、どこで作成するのか等の作成方法も重要な情報です。

印鑑専門メディアの当サイトでは、印鑑の作成についての基礎知識をわかりやすくまとめました。印鑑作成の際には、ぜひご参考にしてください。


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