姓?名?登録できるはんこを作る時のポイント
実印の名前の決め方~フルネーム?ひらがな・カタカナは大丈夫?~
実印を作る際、印面に刻む名前は、印鑑の顔とも言うべき重要なポイント。
実印ってフルネームじゃなくても作れるの?
ひらがなの名前だけれど大丈夫?
女性の実印は名前だけの方が良いって聞いたけれど?
このページでは、このような実印の名前に関する様々な疑問にお答えするため、規定やおすすめの名前の入れ方について情報をまとめました。
ひらがな・カタカナ・アルファベットなどあらゆる名前の方に対応しているので、実印の作成前にぜひご確認ください。
実印はフルネーム・苗字のみ・名前のみで作成
実印の登録に関する規定は各市町村によって決められているため、地域ごとに若干の違いはありますが、基本的にはフルネーム・苗字のみ・名前のみのうち、どの表記で実印を作成しても問題ありません。例えば、東京都新宿区のホームページの「印鑑登録のできない印鑑・適さない印鑑」という項目に記載されている、実印登録のルールを確認してみましょう(以下、原文のまま引用)。
「住民基本台帳に記録されている氏名、氏・名または氏および名の各一部を組み合わせたもので表していないもの(職業・資格等、他の事項をあわせて表しているもの)」
つまり、住民基本台帳に記録されている名前であれば、フルネーム・苗字のみ・名前のみのいずれかの表記で実印の登録が可能なのです。
逆に言うと、結婚などで名前が変わり、住民票の名前がもともと登録していた実印の名前と一致しなくなると、新しい実印の作成と再登録が必要。
ちなみに、実印は住民届を提出している役場で登録するため、引っ越しなどで住民票を移す時も、引越し先の役場にて再登録をします(この場合、名前が変わらない限りは同じ印鑑を引き続き使用できます)。
さて、名前の入れ方は自由に選べるとご説明したものの、どの形式で実印を作成すれば良いかは、特に性別によって異なります。そこで、次の項目では、実印の名前の彫り方のおすすめを男性・女性別に見ていきましょう。
男性の実印はフルネームがおすすめ
男性の実印に入れる名前はフルネームが良いと言われています。
一番の理由は安全性。フルネームの実印は、苗字のみや名前のみの実印に比べると、名前の文字数が多い分印影が複雑になり、複製しにくくなるのです。
実印は印鑑の中で最も重要なはんこですから、セキュリティへの配慮が欠かせません。
また、苗字のみの実印は家族の実印と混同してしまったり、苗字のみで作成することが多い認印などと見分けがつかなくなる可能性も。
このような事態を避けるためにも、男性であればフルネームの実印を作ることをおすすめします。
ただし、婿養子に入る予定があるなど将来苗字を変更する可能性がある方は、名前のみの実印であれば実印を作り直す必要がなく、使い勝手が便利でしょう。
女性の実印は名前のみが人気
女性で、特に今後結婚を考えている場合は、名前のみの実印作成がおすすめです。
なぜかと言うと、現代の日本では結婚のタイミングで苗字が変わる女性が多いから。 名前のみの実印を作れば、結婚や離婚などで苗字が変更になっても印鑑を変更する必要がなく、同じ実印を使い続けることができます。
また、印相学(はんこに刻まれた文字で運勢を占う学問)によると、女性のフルネーム実印は後家相と呼ばれています。
後家相とは、フルネームの実印を使うと女性の運勢が強くなりすぎて、男性と対立を引き起こすと言われている印相で、あまり縁起が良くありません。
あくまで古い言い伝えなので、もちろんフルネームや苗字のみでも実印の登録は可能。
むしろ、偽造対策という安全面の上では、名前のみの実印よりもフルネームの方が良いという点もあるので、ご自身の考えに合わせて決めると良いでしょう。
ひらがなでも印鑑登録は可能
繰り返しになりますが、実印の印影に入れる名前は住民基本台帳に記載された名前であれば良いので、住民基本台帳に記載された名前がひらがなであれば、ひらがなで文字が彫られた印鑑を使用して実印登録ができます。
ただし、ひらがなの名前での実印登録に関する細かな規定がある自治体は多くなく、やや曖昧な部分も。
例えば、元が漢字の名前をあえてひらがなやカタカナ表記にする場合は、実印登録が可能な自治体と、そうでない自治体が存在します。
しかし、ひらがなの名前を漢字に当てはめた実印は、ほとんどの自治体において登録不可。
このように、実印の名前の表記に関しては自治体によって対応が異なる可能性もあるので、事前に窓口で確認しておくと間違いがないでしょう。
名前は縦書き?横書き?
実印の名前を彫刻する際、縦向きと横向きから選びます。 実印の登録規定に名前の向きに関するルールはないため、縦向き・横向きのうち、好きな方で構いません。実印において一般的なのは、縦書き。
漢字の名前の場合は、縦書きで右から左に読む彫り方をする実印が多いです。
一方、ひらがなやカタカナ、ローマ字表記の名前の場合は、横書きで左から右に読むように文字を彫る実印が多いです。
文字数が1文字や3文字になる場合
実印に入れる名前の文字数が1文字や3文字などの奇数の場合、バランスが取れず、印影のデザインの収まりが悪くなってしまうことがあります。
このような時の解決策は2つ。
1つ目は、名前の後に「印」や「之印」という文字を追加して空白を埋め、全体のバランスを取る方法です。 紀元前の印鑑にも見られる手法で、基本的には自治体での実印登録にも問題はありません。
2つ目は、名前を上下に引き伸ばすなど、書体や文字の大きさを調整する方法。 ただし、画数の多い漢字などの名前であれば調整しやすいですが、ひらがなやカタカナなど画数の少ない名前だと、かえってバランスが取りにくい可能性もあるのでご注意ください。
名前の画数や好みによって、デザインのご希望に違いがあるかもしれません。
中には、実印を作成する際、名前に加えて勝手に「印」の文字を入れられてしまったというケースもあるので、実印を購入する印鑑専門店への相談が大切。
実印は決して安い買い物ではないので、時間に余裕を持って、丁寧に作成するよう心がけましょう。
英語(アルファベット)の実印の作り方
名前が英語の場合も、実印の作成に支障はありません。
外国人の場合は、英語(アルファベット)もしくはカタカナ表記で実印の名前の登録が可能。
ただし、外国人登録の際に名前をカタカナで登録していない場合は、実印の名前はアルファベットでしか登録できないのでご注意ください。
そのため、外国人の友人へのプレゼントとして実印作成をお考えの方は、英語とカタカナを併記して名前を登録したかどうか、事前に確認しておくことをおすすめします。
また、実印は外国にはない日本独自の文化ですから、プレゼントを渡す時に登録方法や用途などもアドバイスしてあげると良いでしょう。
最後に、実印の名前に関する情報のポイントをまとめました。
実印の名前に関する情報まとめ
- 実印はフルネーム・苗字のみ・名前のみで作成
- 男性はフルネーム、女性は名前のみがおすすめ
- ひらがな・カタカナ・アルファベットでも問題なし
- 名前は縦書き・横書きから選べる
実印の作成には、名前の他にもサイズ規定や印影の書体、素材など様々なポイントがあります。以下のページに詳しくまとめてあるので、まだ確認されていない方はぜひ参考にしてみてください。
実印作成のポイントを確認