正しい押印・捺印の方法と場所
印鑑の押し方・位置を徹底解説
はんこを押す正しい位置って??
普段、荷物の受け取りなどで印鑑を押すのであれば、ほとんどの場合、適当に押してしまっても問題ありません。しかし、ビジネス上の重要な書類などは話が別です。
社印や角印は毎日のように押す機会がある訳ではありませんので、いざ押そうと思った時に「あれ?これで合っているんだっけ?」と、印鑑を押す位置がわからなくなってしまったりしたことはありませんか?
実際、私がそうでしたのでよくわかります。
公的な書類、保険や金融関係の書類といった重要な書類に印鑑(実印、角印、社印、銀行印)を押す場合は、正しい位置に印鑑を押す必要があります。
また、印影がかすれないように、にじまないように押すために、正しい印鑑の押し方というのも知っておきたいところです。
そこで、ここでは印鑑の正しい押し方、押す場所について以下の情報を紹介したいと思います。
- 印鑑の持ち方
- 綺麗に押すテクニック
- 角印や社印を押す正しい場所
- 領収書の印鑑の押し方
- キレイな印影で押せるおすすめ印鑑
それでは一緒に見ていきましょう!
はんこの押し方の基本
あなたは印鑑の正しい押し方をご存知でしょうか?
「正しい押し方」というと少し堅く聞こえますが、綺麗な印影になるような押印方法を知っていて損はないでしょう。
普段みなさんが印鑑を使う場面と言えば、宅配の荷物受け取りや会社での内部書類の認印がほとんどではないでしょうか。
押し方を気にせずに雑に押してもなんとかなりますので、あまり気に留めない方も多いのではないかと思います。
しかし、綺麗に押す方法を知らないと、いざというときにうまく印鑑を押せないことがあるかもしれません!
実印や銀行印などといった証明印鑑を使う書類では、正しい押し方できれいに捺印しないとやり直しになってしまうことがあります。それに大事な契約ではビシッと決めたいところ。領収書や社外契約書なども、もちろん重要です。
くっきりと真っ赤な印影が押された書類というのは、とても見栄えが良く、周りからの印象も良いものです。
まずは、印鑑をきれいに押したい、正しい押し方を知っておきたい、というあなたのために印鑑の正しい押し方についてご紹介します。
早速ですが、印鑑をきれいに押すコツは4つ。
- 正しい持ち方
- 捺印する場所
- 朱肉の付け方
- 印鑑の押し方
正しい持ち方
まずは、印鑑の持ち方について見ていきましょう。正しい持ち方であれば、まっすぐに適度な力を込めてはんこを押すことができます。印鑑を持つ際、一つ目に指の位置がポイントとなります。人差し指を、印面の文字の真上に当てて、親指と中指との3点で支えます。親指は指の腹で、中指は指の横を当てて印鑑を支えます。
そして、印鑑の尻の部分を手の腹に当てます。これで、印鑑を正しく持つことができます。
実際の捺印の際はこのような感じになります。↓↓↓↓↓↓↓↓↓
印鑑の持ち方は、きれいに捺印をする際の重要なポイント。しっかりと押さえておきましょう!
捺印する場所(捺印マット)
捺印する際の場所ですが、当然のことながら平らな場所がベスト。斜めに傾いた机上などで、力の入れ具合も難しくきれいに押せるはずもありません。さらに、用意してもらいたいのが、「捺印マット」。
「捺印マット」がいま手元にないという方は、ティッシュや紙で代用しましょう。数枚重ねればクッション代わりとして使えます。
「捺印マット」は、印鑑を安定的にきれいに押すためには必須のアイテムです。クッションとなって滑りにくくなる上に、台や机の表面がデコボコでも心配ありません。
印鑑通販ショップで、1,000円程度で買うことができますので、チェックしてみてください。
朱肉の付け方
簡潔に言うと、朱肉は付けすぎない、それだけです。
朱肉を付けすぎてしまうと、捺印時、朱肉が滲んでしまったり、朱肉の付きが悪い印鑑の場合は、押すときに印鑑が滑ってしまったりすることがあります。
また、書類に押された印影も乾きにくくなるため、かすれて汚れてしまうリスクも。
朱肉を印鑑につける際のコツとしては、ポンポンと軽く叩いてつけるようにしましょう。こうすることで、朱肉の付け過ぎを防ぎ、かつ朱肉が印面に均一に広がるために、印影の各位置の濃さにムラがなくなります。
また朱肉そのものにもポイントがあります。
まず、長年使っている朱肉は、どうしても朱肉のツキが悪くなってしまうので、なるべく新しいものを利用するようにしましょう。また、印鑑ケースに付いている小さい朱肉はあまり使わないことをおすすめします。朱肉が印面に均一に付きにくい上に、無理につけようとすると目詰まりを起こしてしまうからです。
さらに、スタンプ台と朱肉はちゃんと使い分けるというのもポイントのひとつ。スタンプ台は一般的にゴム印と一緒に使用されるもので、朱肉に比べてインクのツキが悪く、印影がかすれてしまいます。
ですので、印鑑を押す際にはなるべく朱肉を使うようにしましょう。最近の朱肉は速乾性のものが主流で、くっきりとした印影が押しやすくなっています。
印鑑の押し方
]印鑑を押す際に注意する点は、紙に対して垂直に押すことです。
その際に適度な力で押すようにしましょう。力が弱すぎると印影がかすんでしまい、強すぎると紙や印面が傷んでしまうので注意。
コツとしては、印鑑の中心を軸に、小さく「の」を描くようにグリグリとする押し方がおすすめ。大きい動作ではなく、あくまで軽く描くように押しましょう。
そして、紙から印鑑を離すときも注意が必要。紙にしっかりと手を添えた上で、真上にゆっくりと印鑑を離すと、きれいな印影が完成します。和紙などといった目が粗い紙の時は、特に慎重に離すようにしましょう。
押し終わったら、ティッシュなどで印面に付着したインクをきれいに拭き取りましょう。印面に軽く押し当てて、印鑑を右回り、左回りと回転させるときれいに拭き取ることができます。次の機会にきれいに捺印するためにも重要なポイントです。
まとめると、正しい押し方、綺麗な印影を残すコツは、以下の4つになります。
- 正しく持つ
- 平らな台の上に捺印マットを用意する
- 朱肉はポンポンと細かく叩いてつける
- 垂直に適度な力加減で押す
印鑑を押す位置
書類のすべての欄を書き終えて、最後の一仕事、印鑑を押すときに何故か妙な緊張感がありませんか?それは、きれいに押さなければいけないというプレッシャーや、「あれ?印鑑を押す位置ってここでいいんだっけ...?」
という曖昧な知識がそうさせるのでしょう。
名前に被せたり、被せなかったりと様々な押し方を見てきて、どの位置が正しいのか曖昧になりますよね。今さら人に聞くのも恥ずかしいし、せっかくですのでここで一緒に正しい押す位置についてマスターしてしまいましょう!
印をする位置というのは様々あるように思われますが、それもそのはず。印鑑を押す位置は、押す状況によって変わるのです。主に3つの状況によって、印鑑を押す位置が変わります。
- 印鑑証明が必要な場合
- 印鑑証明がいらない場合
- 法人印の場合
印鑑証明が必要な重要書類に捺印する場合
実印を用いるような重要書類に印を押す際は、名前や他の文字に被らないような位置に押さなくてはなりません。
自動車や家の購入、相続の手続きなど、重要な契約においては実印が必要です。その際、実印が本物であるかどうか印鑑証明をするのですが、もし押された印が他の文字と被って欠けてしまった場合、印鑑証明として成り立たなくなってしまうことがあります。
自分の実印であることをしっかりと証明するためにも、重要書類では印影がはっきりと見えるような位置に押印する必要があるということですね。
印鑑証明の必要がない書類の押し方
逆に、印鑑証明が必要のない書類の場合は、印が他の文字と少し被る程度に押したほう良いでしょう。これは偽造・複製防止のセキュリティの観点からの問題。
実際に他の文字と被らない押し方でも問題はありませんが、はっきりと印影が見える押し方ですと、印を写しとって悪用される危険性があります。特に、実印や銀行印などといった証明印を使う場合は要注意。絶対に名前などに被せるようにしましょう。
よく、書類に「印」という文字が書かれている場合がありますが、ここに押さなければいけないという決まりはありません。ただ、実印証明が必要でない書類の場合は、こちらを利用するのが良いでしょう。
法人書類の場合の押し方
法人書類の場合は、「角印(社印)」、「丸印(会社実印、代表印、個人役職印)」の2種類の印鑑を使用します。法人書類の印の押し方ですが、角印または丸印のどちらか一方のみを用いる押し方が一般的ですが、稀に両方を用いる場合があります。
ほとんど場合、角印か丸印(会社実印)のどちらかだけを使用するので、どちらかの印鑑を用いる押し方だけを押さえておけば良いでしょう。
ただ、「社印と実印の両方を押してください」というような指示、依頼があった場合に備え、両方の印鑑を押すケースについても紹介したいと思います。
角印と丸印のどちらか一方を押す場合
まず、角印(社印)を押す場合ですが、会社名の最後の文字が印影の中心にくるような押し方が一般的です。この時、名前の高さと印の高さが真ん中で一致するようなバランスの良い位置に押すときれいに見えます。社名と代表者名に印を押す場合、丸印(実印、代表印)を使用しますが、文字に重ならないように名前の横に押印します。また、角印と同様、印影の中心と文字の中心が一致するように押すときれいです。
角印と丸印の両方を押す場合
あまり一般的ではありませんが、角印と丸印の両方を使用する押し方も紹介しておきたいと思います。会社印(角印)は文字の真ん中の位置に押し、丸印は文字に重ならないように名前の横に押印しましょう。
領収書における印鑑の押し方
領収書に印をする場合の印の押し方はとても簡単。領収書に記載された会社名、住所の部分にかかるように印を押すだけです。ただし、この際押す印鑑は角印。
実際は法律上、領収書は必要事項(発行日、発行側の住所や会社名など)が記入されていれば領収書としての効力を発揮します。
ただし、会社の規定によっては印鑑が捺印されていないと経理部に受理されない場合がありますので、一般的には領収書には押印するのが慣例です。
また、領収書に印紙を貼る場合は消印が必要。印紙と領収書をまたぐように認印を押すと良いでしょう。
会社では印影を斜めに押す!?噂の真相
実際に会社での文書を見てみると、斜めに押しているものあれば、斜めじゃない真っ直ぐな押し方のものもあったり。特に意識するほどのことではないのでしょうか?
実は、印鑑を斜めに押すのにはある意味合いがあったのです。
昔から続く慣習では、社内での回覧文書などで複数人が印を押す場合、部下の方は上司の人にお辞儀するように押印するといったことがあるのです。終身雇用などもあり、上下関係が厳しかった日本ならではの発想ですよね。会社によってはそれが常識の押し方というところも。
右に傾けると威張って見える一方、左に傾ければお辞儀をしているように見え、控えめな印象を与えられるからだそうです。具体的に言うと、時計の11時半の形のように、左側に若干傾けて斜めに押します。
逆に右斜めに傾けるのは、ビジネスの場などにおいては縁起がいいという話もあります。ただし、右肩上がりに関しては、左に傾けた場合も「右肩」が上がるので縁起が良いという言われもあり、様々な説があるようです...
ただし、まっすぐな押し方じゃないとだらしがないと思われたり、雑に見えたりすることがありますので、社外では斜めにせず、まっすぐにビシッと押すように心がけましょう。斜めに押すのはあくまで慣習です。
ここまで印鑑の押し方をご説明してきましたが、実は、いくら正しい押し方をしても、印鑑そのものの印面が悪ければ、キレイな印影は残せません。
そこで、最後に、「押し方」以外に印鑑の押しやすさに関わるポイントをご説明しましょう。
印鑑の押しやすさを決めるその他の要素
印鑑は、「素材」と「購入先」によって、朱肉のつきが大きく変わります。そのため、捺印性の高い素材の印鑑を、品質に定評のあるお店で購入することも、印鑑の押し方と同じくらい大切。
そこで、捺印性が高いおすすめの印鑑素材と捺印性にこだわりを持つお店をご紹介したいと思います。
キレイな印影が残せる印材「チタン」
捺印性が高いおすすめの印材はチタン。
チタンの印鑑は朱肉のツキがよく、ずっしりとした重さがありますので、その重みでしっかりとしたきれいな印影を残すことができます。女性の方でも比較的簡単に、力強く押すことができるので、おすすめの印材です。
押しやすさを追求する印鑑ショップ「Sirusi」
印鑑ショップにはそれぞれ特徴がありますが、中でも「捺印性」を重視するのがSirusi。Sirusiの印鑑は、「捺印マットがなくても押せる印鑑を作る」という商品づくりに徹底しており、印影の作成に力を入れています。
Sirusiでは、ご紹介したチタン素材での印鑑作成も可能。ぜひ、素材を活かした印鑑づくりをしているお店で、押しやすい印鑑を作ってみてください。
また、きれいに印鑑が押せないのは、あなたの印鑑の印面が欠けていたり、古くなっていたりするからかもしれません。
印影がいつもかすんでしまったり、にじんでしまうという方は、この機会に印鑑の買い替えを考えてみてはいかがでしょうか?